語学は君に選択肢を与える -「搾取されないためには選択肢を増やすしかない」を読んで
言語は学んだ。さて、その先は?
言語学習者が一度は考える問いかもしれません。
わたしの場合、その問いにぶち当たったのは就職活動中でした。
外国語大学で必死で言語を学んだものの、それは就職に役立つたいしたスキルでないようにふと思え、なぜわかりやすい経済学部などを選択しなかったのだろうか?と思い悩んだものです。
語学はあなたに選択肢を与える
そんな問いに対するヒントとなった一つに、「搾取されないためには選択肢を増やすしかない」という記事があります。
内容はタイトルを読んで字のごとく、「搾取されないためには選択肢を増やすしかない」ということなのですが、最後に筆者はこうまとめています。
・会社で働くとか、税金を支払うというのは取引の話をしている。
・取引というのは交渉力で条件が決まる。
・交渉力というのは、選択肢の強さで決まる。
・選択肢は、得ようと思って意図的に行動しないと得られない。
この記事を読んだ時、常に選択肢を持て、さもなくば会社や社会に抗えず圧倒的弱者となる、というメッセージを感じ取りつつも、
同時に“「語学」は私に選択肢を与えている”という、確信めいた思いと、自信が生まれました。
要は、言語というのは確かにツールに過ぎないかもしれないが、それは自分の未来を決める交渉において、確実に選択肢としての武器になる、ということです。
給料交渉や条件交渉の場で言語能力そのものが武器となるという単純な効能だけではなく、 自分の可能性は国内のみならず世界(自分が習得した言語圏)に広がると知っていることは間違いなくプラスであり、その選択肢を持つこと自体が交渉力を強めるのではないかと思うのです。
僕は、会社を辞めろとか、日本を出て行け、という極端な話をしているのではない。ただ、必要ならば、そういう選択肢を実行できる状態にさえしておけばいいのだ。
あなたが言語を学ぶ中で触れてきた他国の多様な価値観や異なる文化への理解は、間違いなくあなたの糧となり、無意識ながらもあなたの思考の豊かさに、少なからず影響を与えていると確信しています。
なぜなら、言語はそれなしでは習得できないと考えるからです。
必要ならば外へ出ていける、その選択肢があるだけで、世界は違って見えるのではないでしょうか。
「選択肢」というのは持っていること自体が交渉力を決定する。だから、交渉上、核爆弾は持っている事が大事なのである。使うことではない。もし、ほとんどの人に、会社を辞める交渉力、国を出て行く選択肢があれば、それだけでブラック企業は淘汰され、日本政府は改善される。
語学はあなたに希少性を与える
100人に1人の掛け算を3回繰り返して100万人に一人の存在になるという考え方があります。
つまり、100人に一人の希少性を3つかけ合わせれば100万分の1の希少性になる、という論理です。
記事中では3つすべてがキャリアという前提で話は進みますが、私はこの一つ目に言語を持ってくるのが好きで、この考え方を気に入っています。
ちょっと記事の狙いからずれているのはわかっているのですが、例えば
「中国語」×「営業」×「ブライダル」とか。
「英語」×「フィナンシャルプランナー」×「マーケティング」とか。
これがあなたの希少性になるというわけです。もちろん習得する言語は必ずしも一つではないのでかけ算は無限大。なんだか面白そうな香りがしませんか?
「○○語ができます」だけでは武器にはならない、という忠告をしてくる人は山ほどいます。実際、その通りだとは思います。
でも、言語にあなたがこれから得るであろう、かけがいない経験やキャリア、習得する技術や能力が組み合わさった時。それらが掛け合わさりながら、確実に希少性が作り上げられていくのだと思っています。
だから、あなたの語学は無駄じゃない
そもそも、現代社会においてグローバルというのはあえて言及するまでもない大前提の概念であり、習得した語学が全くの無駄になるということは考えにくい。正確な翻訳機があれば人間は言語を学ぶ必要がないという考え方もわからないではないのですが、言語は文化や思考の源であり、それがすべてが果たして機械に代替可能なのだろうかという疑問も持っています。
だから、あなたが人に「言語を学んだからって何になるの?」と言われたって、堂々としていればいいと思うんです。
せっかく習得した言語が使えなくて勿体無いなぁと思うのだったら、海外に飛び出ちゃっても良い。もちろん出なくたっていい。ただ、自分には選択肢があり、しかもそれらは自分自身で手に入れてきたということを知っているだけで、なんだか面白くなってきそうじゃないですか。
思うに、人生はトライアンドエラーの連続で面白くなっていくものです。
語学にはあなたの「トライ」を後押しする力がある、私はそう信じています。