外国語の「日常会話レベル」ってどの程度?自身の留学・就業経験から考えてみる。
ちゃお!りんこです。本日は語学ネタを。
先日流れてきたtweetにこんなものがありました。
外国語の能力を示すときに「日常会話レベル」ってあまり能力が高くないことを表すことが多いと思いますが、私なんかは日常会話こそ相当能力が高い人でないと無理じゃないかという気がします。
— Fumiaki Nishihara(西原史暁) (@f_nisihara) 2018年5月20日
ものすごいわかる・・・・!
このスレで言語学習者の皆さまのコメントを読んでいると、なんだか色々考えさせられます。
確かによく会社の採用基準の項目で、英語能力を「日常会話程度」「ビジネスレベル」「ネイティブ」などのレベルに応じて選択する欄がありますが、その基準ってとても曖昧ですよね。
じゃあいったい、外国語の「日常会話レベル」ってどの程度を指すんでしょうか?
(そして、私の外国語レベルは果たしてそのレベルに達しているのか?!)
自身の海外留学経験や就業経験から考えてみました。
はじめに
一般的な「日常会話レベル」とはどの程度なのか?
Google先生に聞いてみても、実は明確な答えは出てきません。
英語の場合TOEIC何点とか、具体的な数字があれば便利なんですが(その基準の善し悪しはさておき)、今のところは存在しないのが現状のようです。
まあ、ふわっとしたレベル分けでしょうから無理もありません。
同じように悩む方は一定数にいるようで、知恵袋系サイトには類似の質問も多々見受けられました。
その答えや意見を読んでまとめると、一般論としては
「日常会話レベル」=
・日常の用事がこなせる
・電話ができる
・旅行ができる
あたりが妥当なようです。
私の言語学習状況について
帰国子女でもハーフでもない私ですが、言語を学ぶ事は大好きで、
積極的に多言語を学んできました。
その中でも、コミュニケーションをとれる程度の言語は以下の四つ。
1. 日本語(ネイティブ)
2. 英語(中高大・カナダ留学1年・その他英語圏への短期留学)
3. イタリア語(大学5年・うちイタリア留学1年)
4. 中国語(駐在2年半)
他にもスペイン語や韓国語、果てにはロマンシュ語やエスペラント(完全に趣味)
等にも手を出してきましたが、あまり広げすぎると煩雑になるので上記4つにとどめます(笑)
日常会話レベルについて自身の経験から考える
ここからは自身の経験に基づいて言語のレベルについて考えてみます。
私の言語学習時間が最も長く、今もビジネス上、日常的に使い続けているのが英語。在中国ではありますが、会社の公用語は英語なんです。
英語でプレゼンすることもありますし、メールの半分は英語です。
ただ、対外営業については中国語の使用頻度が非常に高いので、ビジネス中国語も日常的に学習・使用しています。
一方イタリア語はというと、完全に留学中おぼえた日常会話のみ。
中国に来てからもイタリア語を忘れないためにイタリア人のコミュニティに定期的に参加し会話を心がけていますが、もちろんその中でビジネスイタリア語を学ぶはずもなく。
では私の言語能力は「イタリア語<英語」なのか?
そう考えると、なんだか違う気がするんですね。
身ひとつで放り込まれて「生活してこい!」と言われて生き抜けるのは、正直どっちかわかりません。
なぜなら、私の英語は現在あくまでも「ビジネスで」使っている英語であり、買い物したり町の人と話したりするための言葉としては、イタリア語の能力の方が“生きている”感じがするから。
留学中、身をもって覚えたイタリア語の経験は裏切りませんね~。
恋人もイタリア人だったし。(これ重要ですよねw)
逆に中国語はというと、仕事をしながら覚えた「ビジネス中国語」なので、足りないなぁと悔しくなることがままあります。生活に支障はない、といえばそれまでですが。
それでも中国の友人と会話する際に「なんでこんなに簡単なことも言えないんだろう」というジレンマに襲われることも少なくありません。
「ビジネスレベル」>「日常会話レベル」にも疑問
そう考えると、ビジネスレベルの方が日常会話レベルより高度というというイメージにも違和感を感じますよね。日常会話の方が話題が多岐にわたりますから、難易度が高いことは間違いありません。
専門単語をある程度おさえておけば特定分野のプレゼンはこなせるけど、日常会話の中で急に「日本のごみの分別って細かいらしいけど、どう分かれてるの?」と聞かれた日には・・・私にはうまく説明できる自信がありません。
中国人の同僚とネイルや整形のガールズトークをしたときも、うまく伝わらなくてモヤモヤしました。ガールズトークって実はめちゃくちゃ難易度が高いのでは?(ジェスチャーやテンションでなんとかなるが・・)
こんなことが、日常茶飯事です。
まとめ
ここまで考えて思った事は、
“語学を学べば学んだ人ほど、「日常会話レベル」が実はいちばん難しいということがわかっている”ということ。
だからこそ「私の外国語は日常会話レベル」と堂々というのがためらわれるのかもしれません。
ただ敢えて逆説的に考えると、その難しさが分かっている方々って、もしかしたら日本で一般的に「日常会話レベル」とされているレベルには既に達しているのではないでしょうか。
言語習得の本当の難しさは、ある程度のレベルまで学んだ人や、その先に進みたいと努力している人にしか分かり得ないのでは、と思っています。
少し極論かもしれませんが、様々な言語を学んできた私の持論です。
というわけで私は今後、「日常会話レベルの外国語が話せますか?」と聞かれたときには
「話せます!でも、まだ全てが分かるわけではありません。」
と答える事にします。これで自分の中の違和感におさらば。
逃げ場は大事。でも、自信も大事。
皆様もよろしければご利用下さいませ。
異論はもちろん認めます(笑)